茶道日記

ネットやAI時代に、生き残る教室とは

今はなんでもネットで調べられる時代です。

たとえば着物の着方も、お茶のお点前も、YouTubeの動画を見れば1からていねいに教えてくれます。私自身も着物は全くの初心者でしたが、YouTubeのみで着られるようになりました。

動画で独学できるなら、教室はいらないじゃんという声が聞こえてきそうですが、そんなことありません!私はYouTubeと先生は共存できると考えています。

では、YouTubeにできないことはなんだと思いますか?

それは、「未知に気づかせること」です。

YouTubeをはじめネットのコンテンツにはノウハウが溢れています。「これが知りたい!」と思ったら、いくらでも情報をくれるのがネットです。

でも、フィードバックはできないのです。私たちの実践を見て、「ここはもっとこうした方がいいよ」というアドバイスがYouTubeにはできないのです。

動画を見ていたら、「あなた、ここできていませんよ」と喋りだしたらびっくりですよね(笑)

自分で気づいていることはネットで調べてよりよくしていくことができます。ですが、気づいていないことは調べようがないのです。だって気づいていないのですから。検索できません。

 

これが先生が提供できる最大の価値だと思います。

生徒の実践を見て、本人が気づいていない点をフィードバックすること。「もっとこうしたら美しくなるよ」「よくなるよ」という点を伝えること。

茶道のお点前だってYouTube動画を見れば覚えられます。

だけど、私は教室に通い続けます。

なぜなら、先生が未知に連れて行ってくれるから。自分では気づいていないことを教えてくれて、もっと美しくあれるようになるから。

YouTubeでなんども復習してお点前を覚えて、そして先生に教わる。どちらか一方ではなく、どちらもあることで、学びがぐぐっと後押しされていることを心から実感しています。

 

YouTubeや生成AIの誕生に不安に思っている先生もいるかもしれません。

そんな必要はありません。

未知に気づかせてくれる先生が増えて、すばらしい教室であふれる日本であってくれたらとても嬉しいなと、そう思います。